本記事では
- フィンランドへワーホリを予定の方
- 日本の海外旅行保険を検討している方
に向けて、フィンランドの医療制度と海外旅行保険について、実際にかかった医療費の事例をご紹介しながらご説明します。
フィンランドの医療制度
福祉先進国と言われるだけに、日本と同じく国民皆保険制度が整っています。
KELA(Kansaneläkelaitosの略称)とよばれるフィンランドの社会保険制度を管轄する政府機関によって医療等の社会保障サービスが提供されています。
医療機関の受診
医療機関の受診システムは日本と大きく異なります。
医療機関は、公的な医療機関と民間の医療機関があり、
- 公的医療機関:医療センター、公立病院
- 民間医療機関:民間クリニック
と分かれています。
フィンランドでは発熱や風邪程度の症状の場合病院へ行かない人が多く、病院へ行ったとしても、寝れば治るでしょうと門前払いされてしまうこともあるようです💧
医療センター・公立病院
医療機関を受診したい場合はまず地域の医療センターを予約し受診します。そこでさらに専門的な検査や治療が必要と判断されると、病院へ紹介されます。
医療費は低額ですが、受診までの待ち時間が長いことがデメリットです。
公立病院を紹介されても、受診までさらに数ヶ月待たなければならないということもあるようです。
初めから直接、公立病院を受診することはできません。
ただし救急の場合は公立病院や大学病院へ搬送されることになります。
私立病院(民間クリニック)
医療費が少し割高でも、待ち時間が少なくすぐに診てもらいたいという人は、民間クリニックを受診します。
海外旅行保険について
フィンランドへワーホリビザで渡航する場合、ビザ発給条件として海外旅行保険の加入が義務付けられています。
海外旅行保険は、フィンランドでワーホリ中の
- 急なケガの医療費
- 急な病気の医療費
を補償します。
また上記に加え、
- ケガ・病気での死亡時の補償
- 持ち物の補償(盗難等)
- 他人をケガさせた場合(賠償)
- 歯科治療費用
- 緊急一時帰国費用
などの補償もございます。
具体的には以下のような補償があります。
補償項目 | 内容 |
---|---|
傷害死亡 | ケガが原因で死亡した場合の補償 |
傷害後遺障害 | ケガが原因で後遺障害を負った場合の補償 |
治療・救援費用 | <治療費用> ケガ・病気の医療費の補償 <救援費用> 3日以上の入院となった場合等、ご家族がフィンランドへ駆けつける費用の補償 |
疾病死亡 | 病気が原因で死亡した場合の補償 |
賠償責任 | 他人の物を壊したり他人をケガさせた場合の補償 |
生活用動産 | 持ち物の盗難、火災等で損害を受けた場合の補償 |
航空機遅延 | 航空機が遅延した場合の補償 |
航空機寄託手荷物遅延 | 航空機に預け入れた荷物が受け取れなかった場合の補償 |
歯科治療費用 | 歯科治療を受けた場合の補償 |
緊急一時帰国費用 | 日本の親族が死亡・危篤となり日本へ一時帰国する場合の補償 |
急な病気やケガで治療が長引きそうな場合は、日本での継続治療を望む方が多いです。
例えば急な病気の場合、症状が落ち着き、航空機で搬送可能と医師が判断すれば、医師や看護師の付き添いのもと医療搬送という形で日本まで搬送となりますが、医療費や搬送費は非常に高額です。骨折等、ケガの場合も同様です。
また、フィンランドでワーホリ滞在中に他国へ短期旅行へ行かれることもあると思います。海外旅行保険ではそのような時もフィンランド滞在中と同じように補償の対象となります。
保険金のお支払い事例
海外旅行保険でお支払いした、実際にかかった医療費の事例です。
保険金支払額 | 内容 |
384万円 | シャワーを浴びている時、めまいで倒れ嘔吐。肺炎と診断され14日間入院。家族が駆けつける。看護師が付き添い医療搬送。 |
800万円 | ホテルで足に力が入らず歩行困難となり受診。脳内出血と診断され16日間入院。家族が駆けつける。看護師が付き添い医療搬送。 |
1,159万円 | 機内で意識消失し救急車で搬送。脳梗塞と診断され13日間入院。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添い医療搬送。 |
出所:ジェイアイ傷害火災保険「海外での事故例」
おそらく上記は高齢の方かと思いますが、医療費(搬送費含む)が高額というのはお分かりいただけるかと思います。
海外旅行保険では、軽い風邪や軽いケガでの受診ももちろん補償の対象となります。
しかし、保険で備えておきたいのは、上記のように医療費が高額になるケースです。
保険会社による保険料の違い
海外旅行保険は各損害保険会社で販売されていますが、同じ補償内容でも保険会社によって保険料は異なります。
2024年7月現在で、1年間の保険料は約17万円〜45万円と保険会社や補償内容によって開きがあります。
海外保険コンシェルジュでは、複数の損害保険会社の海外旅行保険を取り扱っていますが、保険料、サービス体制の充実等を踏まえ、
- 東京海上日動
- ジェイアイ
の2つの保険会社のプランを主にご提案しています。
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保険会社によるサービス提供の違い
海外旅行保険では、保険会社がさまざまなサービスを提供しています。下記は一例です。
365日24時間、日本語で対応可能な窓口があることは大変心強いです。
医療相談サービス(日本語)
医療相談サービスでは、24時間365日、医師や看護師にケガや病気の対処方法を相談することができます。
キャッシュレスでの受診
各保険会社、 フィンランドで提携している病院があります。保険会社が提携している病院を受診する場合、かかった医療費は保険会社から病院に支払うことができるので、皆さんは医療費の支払いなしに受診することができます。
ご家族がフィンランドへ駆けつける際のサポート
万が一、皆さんがフィンランドでワーホリ中にケガや病気で3日以上入院された場合等、ご家族の方がフィンランドへ駆けつけるために費用は「治療・救援費用」の救援費用の部分で補償の対象となります。航空券・宿泊施設等の手配を保険会社がサポートすることも可能です。
まとめ
フィンランドの医療制度とフィンランドワーホリ中の海外旅行保険について解説いたしました。
病気やケガなどの予期せぬトラブル・アクシデントは精神的にも大きな負担となります。海外旅行保険は金銭的な補償するものではありますが、さまざまなサポートやサービスを通じて、精神的な負担も軽減してくれます。
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