ワーホリや留学で長期間海外に行く場合、「住民票は抜いた方がいいのか」「健康保険や年金はどうなるのか」「住民税は払う必要があるのか」と悩む方は多いです。
特に、社会人の方が退職後にワーホリや留学へ行く場合は、会社の健康保険から外れた後の手続き、国民年金、住民税、確定申告など、出発前に確認しておきたいことがいくつもあります。
この記事では、退職後にワーホリ・留学へ行く方向けに、海外転出届を出す場合・出さない場合の違いや、健康保険、国民年金、住民税、所得税の手続きをわかりやすく解説します。
ワーホリ・留学で住民票は抜くべき?
ワーホリや留学で海外に行く場合、まず確認したいのが「海外転出届」を出して住民票を抜くかどうかです。
一般的に、1年以上海外に滞在する予定がある場合は、住民登録をしている市区町村で海外転出届を提出し、住民票を抜くことを検討します。
一方で、海外滞在が短期間の場合や、日本に生活の拠点を残す場合は、住民票を残すケースもあります。
住民票を抜くかどうかによって、国民健康保険、国民年金、住民税の扱いが変わるため、出発前に必ず確認しておきましょう。
海外転出届を出す場合・出さない場合の違い
海外転出届を出すかどうかで、主に以下のような違いがあります。
| 項目 | 海外転出届を出す場合 | 海外転出届を出さない場合 |
|---|---|---|
| 住民票 | 日本の住所から抜ける | 日本に住所を残す |
| 国民健康保険 | 脱退 | 加入が必要 |
| 国民年金 | 強制加入ではなくなり、任意加入が可能 | 原則として加入が必要 |
| 住民税 | 1月1日時点の住所・生活実態で判断 | 1月1日に住所があれば課税対象 |
| 向いている人 | 1年以上の長期滞在を予定している人 | 短期滞在・日本の住所を残す人 |
ただし、実際の取り扱いは自治体によって異なる場合があります。
ワーホリや留学の予定が決まったら、住民票のある市区町村役場に確認しておくと安心です。
海外転出届を出すメリット・デメリット
海外転出届を出すと、住民票を日本から抜くことになります。
メリットとしては、国民健康保険の加入義務がなくなることや、国民年金が任意加入になること、住民税の課税判断に影響することが挙げられます。
一方で、デメリットもあります。
たとえば、国民健康保険から外れるため、日本の健康保険を使うことはできません。また、国民年金に任意加入しない場合、将来の年金額に影響する可能性があります。
海外転出届を出すかどうかは、滞在期間、出発時期、帰国予定、日本での収入状況などを踏まえて判断しましょう。
退職後から渡航までの健康保険の選択肢
会社を退職すると、それまで加入していた会社の健康保険から外れます。
退職後から渡航まで日本にいる期間は、原則として以下のいずれかを選ぶことになります。
国民健康保険に加入する
退職後に会社の健康保険を脱退した場合、市区町村の国民健康保険に加入する方法があります。
国民健康保険料は、前年の所得や自治体によって異なります。
出発まで日本にいる期間がある場合は、国民健康保険への加入が必要になるケースがあります。
任意継続を利用する
退職前に加入していた健康保険を、一定期間継続できる「任意継続」という制度があります。
保険料や加入条件は健康保険組合によって異なります。
退職後すぐに渡航しない場合は、国民健康保険と任意継続のどちらがよいか比較しておきましょう。
家族の扶養に入る
収入条件などを満たす場合、家族の健康保険の扶養に入れる可能性があります。
ただし、退職後の収入や失業給付の有無によって条件が変わる場合があります。
扶養に入れるかどうかは、家族の勤務先や健康保険組合に確認しましょう。
海外転出届を出した場合の健康保険
- 任意継続→継続可能。辞める場合は手続きが必要。
- 国民健康保険→継続不可。辞める手続きが必要。
- 家族の健康保険→継続可能。ワーホリビザ・入学証明書、送金証明等の提出が必要。
海外転出届を出して住民票を抜くと、国民健康保険から脱退します。
そのため、海外滞在中に病気やケガをした場合、日本の健康保険を現地で使うことはできません。
海外の医療費は日本より高額になることもあり、入院や手術、救急搬送が必要になると大きな負担になる可能性があります。
ワーホリや留学で海外に行く場合は、出発前に海外旅行保険や留学保険など、現地での医療費に備える保険を検討しておきましょう。
海外転出届を出した場合の国民年金
海外転出届を出すと、国民年金は強制加入ではなくなります。
ただし、希望すれば任意加入することができます。
任意加入を続けると、将来受け取る老齢基礎年金の額を増やせる可能性があります。また、万が一の障害や死亡に備える意味でも、任意加入を検討する価値があります。
一方で、任意加入しない場合、その期間は将来の年金額に反映されません。
令和8年度の国民年金保険料は、月額17,920円です。
ワーホリや留学中に年金を払うかどうかは、滞在期間や家計状況、将来の年金への考え方に合わせて判断しましょう。
任意加入のメリット
- 受給額の増加
将来年金を受給する際に受取額が増加します。
- 障害基礎年金の受給
国民年金は老後に受給できる老齢基礎年金以外にも、「障害基礎年金」という障害を負ってしまった場合に受給できる年金があります。任意加入していて、万が一留学・ワーホリ中に事故等に遭って後遺障害を負うことになった場合、障害基礎年金を受給できる場合もあります。
障害年金について詳しくはこちら(日本年金機構HP)
ワーホリ・留学中の住民税はどうなる?
住民税は「前年度の所得」に対する税額を現年度払う仕組みです。1月1日時点で日本国内に住所があるかどうかで判断されます。
たとえば、年の途中で退職して海外へ出発した場合でも、その年の1月1日に日本に住所があれば、その年度の住民税は課税されます。
一方で、年末までに海外転出届を提出し、1月1日時点で日本に住所がない場合、翌年度の住民税が課税されない可能性があります。
ただし、ワーホリや留学の場合でも、出国の期間、目的、生活実態などによって自治体の判断が異なる場合があります。
特にワーキングホリデーは、自治体によっては「旅行」とみなされ、出国中でも出国前の市区町村に住所があるものとして扱われる場合があります。
住民税は金額も大きくなりやすいため、出発前に住民票のある市区町村へ確認しておくことをおすすめします。
退職後の所得税・確定申告は必要?
年の途中で会社を退職し、その後再就職しないままワーホリや留学へ行く場合、年末調整を受けられないことがあります。
会社員の給与からは、毎月の給料から所得税が源泉徴収されています。
年の途中で退職して年末調整を受けない場合、所得税を多く払いすぎている可能性があります。
その場合、翌年に確定申告をすることで、払いすぎた所得税が還付されることがあります。
退職後に海外へ行く予定がある方は、源泉徴収票を必ず受け取り、必要に応じて確定申告を行いましょう。
ワーホリ・留学前に確認したい手続きチェックリスト
出発前には、以下の項目を確認しておくと安心です。
| 手続き | 確認内容 |
| 住民票 | 海外転出届を出すかどうか |
| 健康保険 | 国民健康保険・任意継続・扶養のどれにするか |
| 国民年金 | 任意加入するかどうか |
| 住民税 | 出発時期と1月1日時点の住所を確認 |
| 所得税 | 退職後に確定申告が必要か確認 |
| 海外旅行保険 | 現地の医療費・救援費用に備える |
| マイナンバー関係 | 自治体で必要な手続きを確認 |
| 納税管理人 | 出国後に税金の通知が来る場合に備える |
出発直前になると、航空券やビザ、荷物の準備で忙しくなります。
役所関係の手続きは早めに確認しておきましょう。
ワーホリ・留学前の手続きでよくある質問
Q. ワーホリで住民票は抜いた方がいいですか?
A. 滞在期間や日本での住所・収入状況によって異なります。1年以上の長期滞在では海外転出届を検討する方が多いですが、健康保険、年金、住民税への影響があるため、出発前に自治体へ確認しましょう。
Q. 海外転出届を出すと国民健康保険はどうなりますか?
A. 国民健康保険から脱退します。そのため、海外滞在中の医療費に備えるため、海外旅行保険や留学保険を検討する必要があります。
Q. 海外転出届を出すと国民年金は払わなくていいですか?
A. 海外転出届を出すと、国民年金は強制加入ではなくなります。ただし、任意加入することで将来の年金額や万が一の障害への備えを残すことができます。
Q. ワーホリ中も住民税はかかりますか?
A. 住民税は原則として1月1日時点の住所で判断されます。ただし、出国の期間、目的、生活実態によって自治体の判断が異なる場合があります。必ず住民票のある市区町村へ確認しましょう。
Q. 退職後に留学・ワーホリへ行く場合、確定申告は必要ですか?
A. 年の途中で退職し、年末調整を受けていない場合、確定申告をすると所得税が還付される可能性があります。源泉徴収票を保管しておきましょう。
Q. 海外転出届を出したら海外旅行保険は必要ですか?
A. 海外転出届を出すと、国民健康保険から脱退します。海外では日本の健康保険を使えないため、病気やケガ、入院、救急搬送などに備えて海外旅行保険や留学保険を検討することをおすすめします。
まとめ|住民票・健康保険・年金・住民税は出発前に確認を
ワーホリや留学で長期間海外に行く場合、住民票を抜くかどうかによって、健康保険、国民年金、住民税の扱いが変わります。
海外転出届を出すと、原則として国民健康保険からは脱退し、国民年金は任意加入になります。
また、住民税は1月1日時点の住所や生活実態によって判断されるため、出発時期によって負担が変わる可能性があります。
退職後にワーホリや留学へ行く方は、健康保険、年金、住民税、確定申告の手続きを早めに確認しておきましょう。
海外滞在中は、日本の健康保険を現地で使うことはできません。
病気やケガ、入院、救急搬送などに備えるためにも、渡航前に海外旅行保険や留学保険を準備しておくと安心です。
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