本記事では
- フランスへワーホリを予定の方
- 日本の海外旅行保険を検討している方
に向けて、フランスの医療制度と海外旅行保険について、実際にかかった医療費の事例をご紹介しながらご説明します。
フランスの医療制度
フランスは日本と同じく国民皆保険制度を採用している国です。
「Sécurité sociale(セキュリテ・ソシアル)」とよばれる社会保障制度を運営し、医療費の無料化・低額化、出産・育児に関する手当、失業・老齢に関する年金などがあります。
医療機関の受診
日本では病院へ行きたいとき、症状に合わせて内科、耳鼻科、皮膚科といったように直接専門医を受診することができます。
一方、フランスはかかりつけ医制度を導入しています。専門医の予約はすぐには取れませんので、緊急性がなければ、どのような症状でもまずはかかりつけ医を受診します。(歯科、眼科等除く)
専門医を受診するのは以下のような流れになります。
①かかりつけ医(médecin généraliste)を受診
②かかりつけ医が専門医を紹介
③専門医を受診
また、病院は公立病院、私立病院(非営利)、私立病院(営利)の3種類があります。
公立病院の場合、医療費は比較的安いですが、待ちが長いです。
一方、私立病院の医療費は高額ですが、待ちが少なく快適に医療が受けられます。
3種類の医師
医師はセクター別に、セクター1、セクター2、セクター3の3種類があり、どのセクターの医師を受診するかによっても医療費が異なります。
セクター1:医療協約に定められた診療報酬を患者に請求する医師
セクター2:医療協約に定める額以上の報酬を患者に請求できる医師(ただし一定の制限あり)
セクター3:医療協約に定める額以上の報酬を患者に請求できる医師。セクター2のような制限はなし。
海外旅行保険について
フランスへワーホリビザで渡航する場合、海外旅行保険の加入が義務付けられています。ビザ申請時に加入を証明する書類が必要です。
海外旅行保険は、フランスワーホリ中の
- 急なケガの医療費
- 急な病気の医療費
を補償します。
また上記に加え、
- ケガ・病気での死亡時の補償
- 持ち物の補償(盗難等)
- 他人をケガさせた場合(賠償)
- 歯科治療費用
- 緊急一時帰国費用
などの補償がございます。
具体的には以下のような補償があります。
補償項目 | 内容 |
---|---|
傷害死亡 | ケガが原因で死亡した場合の補償 |
傷害後遺障害 | ケガが原因で後遺障害を負った場合の補償 |
治療・救援費用 | <治療費用> ケガ・病気の医療費の補償 <救援費用> 3日以上の入院となった場合等、ご家族がフランスへ駆けつける費用の補償 |
疾病死亡 | 病気が原因で死亡した場合の補償 |
賠償責任 | 他人の物を壊したり他人をケガさせた場合の補償 |
生活用動産 | 持ち物の盗難、火災等で損害を受けた場合の補償 |
航空機遅延 | 航空機が遅延した場合の補償 |
航空機寄託手荷物遅延 | 航空機に預け入れた荷物が受け取れなかった場合の補償 |
歯科治療費用 | 歯科治療を受けた場合の補償 |
緊急一時帰国費用 | 日本の親族が死亡・危篤となり日本へ一時帰国する場合の補償 |
ワーホリでフランスに滞在中、他国へ旅行に出かけることもあるかと思います。旅行先でも、同じように海外旅行保険は対象となります。
保険金のお支払い事例
海外旅行保険でお支払いした、実際にかかった医療費・賠償の事例です。
保険金支払額 | 内容 |
181万円 | 部屋で意識不明のところを友人に発見された。現地でICU入院9日間。両親が救援者として現地入り。ドクター付き添いの元、帰国。若年層に見られるインスリン依存型急性糖尿病と診断。 ※ クレジットカード付帯海外旅行保険のみだった為、保険金額が低く、治療費用約130万円を自己負担。 |
614万円 | 駅の改札で転倒し救急車で搬送。大腿骨頚部骨折と診断され12日間入院・手術。家族が駆けつける。看護師が付き添い医療搬送。 |
943万円 | 横断歩道を歩行中、車に轢かれ救急車で搬送。頭部外傷・肋骨他骨折と診断され10日間入院。家族が駆けつける。医師が付き添い医療搬送。 |
1,243万円 | ホテルでバスタブのお湯をあふれさせ、階下と周囲の部屋が使用できなくなったことで、賠償を求められた。 |
出所:ジェイアイ傷害火災保険「海外での事故例」、損保ジャパン「海外生活を安全におくるために」
海外旅行保険では、軽い風邪や軽いケガでの受診ももちろん補償の対象となります。
しかし、保険で備えておきたいのは、上記のように医療費や賠償が高額になるケースです。
保険会社による保険料の違い
海外旅行保険は各損害保険会社で販売されていますが、同じ補償内容でも保険会社によって保険料は異なります。
2024年6月現在で、1年間の保険料は約17万円〜45万円と保険会社や補償内容によって開きがあります。
海外保険コンシェルジュでは、複数の損害保険会社の海外旅行保険を取り扱っていますが、保険料、サービス体制の充実等を踏まえ、
- 東京海上日動
- ジェイアイ
の2つの保険会社のプランを主にご提案しています。
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保険会社によるサービス提供の違い
海外旅行保険では、保険会社がさまざまなサービスを提供しています。下記は一例です。
365日24時間、日本語で対応可能な窓口があることは大変心強いです。
医療相談サービス(日本語)
医療相談サービスでは、24時間365日、医師や看護師にケガや病気の対処方法を相談することができます。
キャッシュレスでの受診
各保険会社、 フランスで提携している病院があります。保険会社が提携している病院を受診する場合、かかった医療費は保険会社から病院に支払うことができるので、皆さんは医療費の支払いなしに受診することができます。
ご家族がフランスへ駆けつける際のサポート
万が一、皆さんがフランスでワーホリ中にケガや病気で3日以上入院された場合等、ご家族の方がフランスへ駆けつけるために費用は「治療・救援費用」の救援費用の部分で補償の対象となります。航空券・宿泊施設等の手配を保険会社がサポートすることも可能です。
まとめ
フランスの医療制度とフランスワーホリ中の海外旅行保険について解説いたしました。
病気やケガなどの予期せぬトラブル・アクシデントは精神的にも大きな負担となります。海外旅行保険は金銭的な補償するものではありますが、さまざまなサポートやサービスを通じて、精神的な負担も軽減してくれます。
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